Dec.2012HIBIYA × illumination

街がにぎわい、笑顔が溢れるこの季節。幻想的な光を前にすると、ついつい心が躍りますよね。
そんななか、ハッとする景色を目にすると思わず息を呑みます。
そして、優しさに包まれたりして…。大人の街、日比谷の、とっておきの夜景をご紹介します。

ファンタジックに、酔う

肌に触れる空気はキリリと冷たく、本当は、急ぎ足で帰路につきたいというのに。私は何をやっているのだろう。昼間とはまるで違う、松本楼の柔らかな光を前に、思わず立ち止まっている。そうして、こっそり目を細めて、ファンタジックな光景に酔ってみたり…。

恋人同士や家族連れ、さまざまな層が笑顔を交わし合う、独特のシーズン。この季節に、人はなぜ灯りに集うのでしょう。太古から、人は火がある場所に身を寄せていました。炎の揺らぎを見つめると、落ち着きを取り戻すから、灯りに自然と引き寄せられるのでしょうか。

優しさを取り戻す

クリスマスツリーは、ドイツで生まれたと、聞いたことがあります。発祥の説はいくつかあるようですが、なかでも、宗教改革の創始者マルチン・ルターが、自分の子どもたちのために作ったというツリー誕生説は、心温まるもの。

ルターは、ある夜、家路の途中、森の木々の間に瞬く無数の星を見て、いたく感動します。そして、この景色を再現して子どもたちにぜひ見せたいと、モミの木に何本ものロウソクを飾り付けたのだとか。確かに。幻想的な灯りを前にすると、心が躍り誰かに伝えたくなります。そうして、不思議と、優しさを取り戻すのです。

水面のイルミネーション

にぎやかな灯りを見て、心が弾んだからでしょう。ときには少し歩いてみようかと、外堀通りに歩を進めました。すると、辺りには途端に静寂が。暗闇に皇居の森が浮かび、お堀には、建物のライトや街灯の映り込みが、揺れています。

繁華街から少し離れた場所に、こんなにロマンチックな光景が広がっていたなんて。「水面のイルミネーション」は、昔から何ら変わることなく、ここで人知れず光を放っていたのです。いったい幾人の人が、このシックな夜景を知っているだろう…。明日、あの人にも教えてみようかな。そんな思いが、よぎりました。

INSIDE

この『HIBIYA CITY STYLE』の写真を撮影してくれている、プロカメラマンの内田 龍さん。撮影の依頼があると、オフの日を使ってでも、ロケハンや試し撮りに行ってしまうという、根っからのフォトグラファー。じっくりと腰を据えて撮影する、いわゆる「ブツ撮り」が得意分野で、雑誌やWeb等、様々なジャンル、分野で活躍中です。今回は、これまでのこのコーナーとは趣を変えて、そんな内田さんに「イルミネーションの上手な撮り方」について聞きました。

Q.イルミネーションをうまく撮るには?
やっぱり三脚を使って…、といっても、普通、持って歩いてないですよね(笑)。でもそれだけ手ぶれ対策が問題、ということです。なるべくカメラを固定することですね。例えば手すりにカメラを置いて、セルフシャッターで撮るとか、壁に体や手を押し付けて、とか。あとは、どこにピント合わせをするか、というのも重要です。例えばスマートフォンのカメラでは、画面にタッチしてピントを合わせることができます。ピント合わせ=画面の明るさ、でもあります。何カ所か試してみて、暗くなりすぎず、明るくなりすぎず、なところを探すと良いと思います。あ、フラッシュは使わない方がいいですね。
Q.さらに「キレイ!」と言われるには?
画面の構図が重要ですね。思いきって寄ってみたり、逆に遠くから撮ってみたり…。自分が動いて、色々な角度から狙ってみると良いと思います。あとは、一番奇麗なところを、画面の真ん中じゃなくて、少し左右に寄せてみたりしても、いいかもしれません。

editor's pick

1枚目の写真は、言わずと知れた松本楼。「首かけ銀杏」とイルミネーションのコラボレーションが絶妙で、ここを歩く人は、必ず足を止めてしまうほど。2枚目は帝国ホテルロビーのクリスマスツリー。落ち着いた空気の中にそびえるツリーは、心を暖めてくれます。3枚目は、日比谷交差点付近のお堀。その他も、日比谷シャンテ、有楽町駅前付近、帝国ホテルエントランス付近など、日比谷周辺のイルミネーションは、今が旬です。