Feb.2013HIBIYA × library

新しく生まれ変わった、日比谷図書文化館を訪れたことはありますか?
オーソドックスな図書館とは違い、魅了的な企画や展示を積極的に発信。また、緑を眺めながら、自分の内なる声に耳を傾けられる、大人の“サードプレイス”としても話題を集めています。刺激と安らぎに満ちた空間の、ご紹介です。

きっかけが、溢れる

「好奇心が踊る森へ」――。この、日比谷図書文化館の広告にある言葉を目にしたのは、ある焦燥感にかられているときでした。自分は急ぎすぎているのではないか。求めすぎているのではないか。けれど、欲しているものの正体は何なのかわからないまま、結局はあくせくと同じような日々を過ごしている…。

そんな思いにとらわれているとき、この言葉に出合い、誘われるかのように館内に立ち寄ると、そこには確かに、好奇心が。言い換えれば、心が動き出す“きっかけ”が溢れていました。

慌ただしさに効く場所

図書フロアをゆっくりと歩くと、さまざまな色や文字、デザインが目に飛び込んできます。ガラスケースには、昭和初期に描かれた、美しい色彩の蛇の絵が何枚も飾られていたり。また、近隣の名建築を紹介する写真集の横には、誌面に登場する美術館のカラフルなパンフレットが、さりげなく置かれていたり。

そうしたひとつひとつのものが、慌ただしい日常から少し距離を取らせてくれる。そしていつの間にか、あくせくした気持ちが小さくなっていく。“きっかけ”に、うまく誘導されているようです。

内なる声に耳を傾ける

先人の思いが詰まった古書の間を抜けると、いっぺんに、日比谷公園を一望できる空間が広がります。しんと静まる特別研究席に足を踏み入れると、ビジネスマンがひとり、デスクに向かっていました。彼は時々顔を上げ、外の緑を眺め、物思いに耽っているようで…。

常に何かに追われる日常から逃れ、自分の内なる声に耳を傾けているのでしょうか。あるいは、今最も重要なことについて、思いを巡らせているのでしょうか。どちらにしても、自宅でも職場でもない自分の場所を手に入れている彼が、うらやましく思えました。彼の佇まいもまた、私の心を動かしたのです。

INSIDE

日比谷図書文化館を訪れる利用者に向けて、館内の案内をはじめ、千代田区内の文化的スポットや日比谷エリア情報の紹介も行っているコンシェルジュ、並木百合さん。日比谷図書文化館について、「ここを到達点と思わず、『ここから始まる』というお気持ちで、気軽にいらしていただきたいです」という並木さんに、館内を満喫する方法などをお聞きしました。

Q.おすすめの過ごし方を教えて下さい。
ぜひ、時間をたっぷり取って来ていただきたいです。たとえば、画集は重くてなかなか借りられないので、それをカフェにお持ちになって、リラックスした状態でご覧になるとか。また、レストランではお弁当をテイクアウトすることもできます。館内では所定の場所でしかお食事いただけませんが、テイクアウトして公園で食べて、お花を見ながらお散歩をしたあと、再び館内に戻っていただく。そして、講座を受けたり、3階の図書フロアでアート情報を得るなどはいかがでしょう。それをもとに、近隣の美術館を訪れるとか。日比谷図書文化館を入口に、さまざまなことに興味をもって、気持ちを外に向けていただければ、こんなに嬉しいことはありません。
Q.どんな人が訪れているのですか?
平日はビジネスマンが多く、仕事帰りに調べ物をしたり、資格取得のための勉強に励んでいらっしゃいます。週末は、カップルや年配のご夫婦が、館内で展覧会を楽しまれている様子をよくお見かけします。

editor's pick

日比谷図書文化館は、旧・都立日比谷図書館から受け継いだ図書フロアと、明治期の洋書が揃う特別研究室、常設展と企画展ふたつのミュージアム、大ホール・小ホール・会議室を備える総合文化施設。公式サイトでは、知的好奇心をくすぐる、展示入れ替えや講座の情報を頻繁に更新。まめにチェックして、ぜひ足を運んでみよう!

千代田区立日比谷図書文化館